ペアローン・収入合算で中古マンションを購入する際の注意点とリスク | 東京 中古マンション・戸建て 専門サイト|ニナ・ステージ株式会社
ペアローン・収入合算で中古マンションを購入する際の注意点とリスク
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「希望のエリアで素敵な中古マンションを見つけたけれど、夫(または妻)単独の収入では住宅ローンの審査が通らないかもしれない…」
近年、都心を中心としたマンション価格の高騰により、共働き世帯が夫婦の収入を合わせて住宅ローンを組むケースが非常に増えています。夫婦の収入を合わせれば、単独では手が届かなかった理想の物件を購入できるようになり、選択肢が大きく広がります。
しかし、「今の世帯年収なら余裕で返せる」と安易にペアローンや収入合算に踏み切るのは非常に危険です。住宅ローンは最長35年という長きにわたって返済していくものです。その間には、出産や育児休業による一時的な収入減少、万が一の病気、そして考えたくはないことですが「離婚」といった、様々なライフイベントのリスクが潜んでいます。夫婦でローンを組むということは、これらのリスクを「夫婦で共有し、連帯して責任を負う」ということに他なりません。
この記事では、不動産のプロとして数多くのご夫婦の資金計画をサポートしてきた経験から、「ペアローン」「収入合算(連帯保証・連帯債務)」それぞれの仕組みの違いやメリット・デメリットを分かりやすく解説します。さらに、実際にあった失敗談を交えながら、リスクを回避し、安全に理想の住まいを手に入れるためのポイントをお伝えします。
1. ペアローンと収入合算(連帯保証・連帯債務)の違いとは?
夫婦の収入を合わせて住宅ローンを借りる方法は、大きく分けて「ペアローン」「収入合算(連帯保証)」「収入合算(連帯債務)」の3種類があります。まずはそれぞれの仕組みを正しく理解しましょう。
1-1. ペアローンとは?(夫婦それぞれがローンを組む)
ペアローンとは、夫婦がそれぞれ個別に住宅ローンの契約を結ぶ方法です。例えば、6,000万円の物件を購入する際、夫が3,000万円のローン、妻が3,000万円のローンを別々に組み、お互いがお互いの「連帯保証人」になります。
契約が2本になるため、印紙代や銀行への融資事務手数料などの諸費用も2倍かかってしまうというデメリットがありますが、夫婦それぞれが自分の借入額に対して「住宅ローン控除(減税)」を受けられ、さらにそれぞれが「団信(団体信用生命保険)」に加入できるという大きなメリットがあります。
1-2. 収入合算(連帯保証型)とは?
収入合算の「連帯保証型」は、住宅ローンの契約自体は「1本(例えば夫が主債務者)」とし、もう一方(妻)の収入を合算して審査を通す方法です。妻はあくまで「連帯保証人」としてローンの返済を保証する立場となります。多くの民間金融機関がこの形を採用しています。
契約が1本なので諸費用は安く済みますが、ローンを借りているのはあくまで夫一人とみなされるため、住宅ローン控除や団信の加入は「夫のみ」となります。万が一、妻が亡くなったり働けなくなったりしても、夫のローンはそのまま残る点に注意が必要です。
1-3. 収入合算(連帯債務型)とは?
収入合算の「連帯債務型」は、住宅ローンの契約は「1本」ですが、夫婦2人が「共同で全額の借金を背負う(連帯債務者になる)」という形です。「フラット35」などで多く利用される方式です。
連帯債務の場合、2人とも債務者となるため、借入額の割合に応じて夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。ただし、団信への加入は原則として主債務者(夫)のみとなるケースが多いですが、最近では夫婦2人とも加入できる「夫婦連生団信(デュエットなど)」を提供する金融機関も増えています。
2. 【比較表】3つの借り方のメリット・デメリット
それぞれの違いを一目で比較できるように表にまとめました。
| 項目 | ペアローン | 収入合算(連帯保証) | 収入合算(連帯債務) |
|---|---|---|---|
| 契約の本数 | 2本(諸費用が2倍) | 1本 | 1本 |
| 所有権の登記 | 共有名義(借入額などに応じる) | 単独名義または共有名義 | 共有名義 |
| 住宅ローン控除 | 夫婦それぞれ受けられる | 主債務者(1人)のみ | 夫婦それぞれ受けられる |
| 団信の加入 | 夫婦それぞれ加入 | 主債務者(1人)のみ | 原則1人のみ(※特約で2人も可) |
| 主な取り扱い | 民間金融機関全般 | 民間金融機関全般 | 主にフラット35、一部の銀行 |
3. 夫婦でローンを組む際の3つの大きなリスク
単独ローンよりも多くの資金を借りられるペアローンや収入合算ですが、その分、将来のライフイベントによる影響を強く受けます。購入前に必ず知っておくべき3つのリスクを解説します。
3-1. ライフイベント(出産・育児休業)による収入減リスク
夫婦でローンを組む世帯が最も直面しやすいのが、出産や育児休業による一時的な収入減少です。現在の世帯年収をベースにギリギリまでローンを借りてしまうと、産休・育休に入って妻の収入が減った途端に、毎月の返済が家計を重く圧迫します。復職後も、時短勤務で以前のようなフルタイムの収入に戻らないケースは多々あります。将来の世帯年収の変動を見越して、余裕を持った借入額に設定することが必須です。
3-2. 万が一の病気・死亡リスク(団信の適用範囲に注意)
前述の通り、ペアローンや連帯債務(特約付き)であれば夫婦それぞれが団信に加入できますが、「連帯保証型」で収入合算をした場合、団信に加入できるのは主債務者のみです。
もし妻の収入を大きく頼りにしてローンを組んでいた場合、妻に万が一のことがあっても夫の住宅ローンは一切免除されません。逆に、ペアローンでそれぞれが団信に入っていたとしても、夫が亡くなった場合に免除されるのは「夫のローン分」のみで、妻自身のローンはそのまま残り続けます。
3-3. 離婚した場合の「連帯責任」と売却の難しさ
非常にシビアな問題ですが、離婚はペアローンや収入合算における最大のリスクと言えます。離婚したからといって、銀行に対するローンの連帯保証・連帯債務の関係が解消されるわけではありません。
もし家を売却しようとしても、売却価格が住宅ローンの残債を下回る「オーバーローン」の状態であれば、差額を現金で一括返済しない限り、銀行は物件に設定した抵当権を外してくれないため、売却自体ができません。結果として、離婚後も元夫婦のどちらかが住み続け、もう一方が家を出た後もローン(または養育費代わりの支払い)を払い続けるという、非常に複雑なトラブルに発展しがちです。
4. 【失敗談から学ぶ】ペアローン・収入合算の落とし穴
知識としては分かっていても、現実には多くの方が資金計画の甘さからトラブルに直面しています。私たちがご相談を受けたリアルな失敗談から、その落とし穴を見ていきましょう。
4-1. 産休・育休で世帯収入が激減し、支払いが破綻しかけたケース
A様ご夫婦は、お互いの年収が500万円ずつあり、世帯年収1,000万円をベースにペアローンで7,000万円のマンションを購入しました。数年は順調でしたが、妻の妊娠・出産を機に状況が一変しました。産休・育休中は手当が出るものの、以前の手取り収入からは大きく目減りします。
さらに誤算だったのは、ローンを「ボーナス払い併用」にしていたことです。休業中は会社からのボーナスが支給されなかったため、年に2回のボーナス払いの月に数十万円の現金が不足し、貯金を大きく切り崩す事態に陥りました。復職後も保育園のお迎えで時短勤務となり、当初の資金計画は完全に狂ってしまいました。
ペアローンを組む際は、将来どちらか一方の収入がゼロ、あるいは半分になったとしても、最低限の生活とローン返済が維持できるか(ストレステスト)を必ずシミュレーションしてください。また、変動要素の大きいボーナス払いの併用は極力避けるべきです。
4-2. 離婚時に家を売却しようにもオーバーローンで売れなかったケース
B様ご夫婦は、ペアローンでマンションを購入して5年後に離婚を決意しました。お互いに新天地でやり直すため家を売却しようと査定を依頼しましたが、結果は厳しいものでした。購入時の価格から相場が下落しており、住宅ローンの残債が売却価格を500万円も上回る「オーバーローン」だったのです。
売却するには、不足分の500万円を夫婦で現金で用意して銀行に一括返済しなければなりませんでした。しかし2人ともそんな貯金はなく、売るに売れない状態に。結果的に夫が住み続け、妻が出ていく形になりましたが、妻は「連帯保証人」の立場から抜けられず、万が一夫が返済を滞納した場合は自分に請求が来るという恐怖を抱えながら生きていくことになってしまいました。
4-3. 片方の持分を贈与税なしで移せずトラブルになったケース
C様ご夫婦は、夫が単独でローンを組めるにも関わらず、「住宅ローン控除が2倍もらえるからお得」という理由だけでペアローンを組み、物件の所有権を半分ずつ(共有名義)にしました。その後、妻が専業主婦になり、妻の分のローンも夫が代わりに支払うことになりました。
しかし、後日税務署から指摘が入ります。「妻名義の借金を夫が肩代わりして支払う行為」は、夫から妻への「贈与」とみなされ、多額の贈与税が発生してしまったのです。名義変更(持分移転)をするにしても、適正な価格で買い取る形にしなければ贈与税の対象となるため、安易なペアローンの組成が思わぬ税金トラブルを招いた事例です。
5. リスクを減らして安全に購入するための対策
失敗談を見ると怖くなってしまうかもしれませんが、リスクを正しく理解し、事前に対策を打っておけば、ペアローンや収入合算は理想の住まいを手に入れるための強力な武器になります。
5-1. 世帯年収の「手取り」をベースに余裕のある資金計画を立てる
銀行のローン審査は「額面年収」で行われますが、実際の返済は税金や社会保険料が引かれた後の「手取り収入」から行われます。ペアローンを組む際は、現在の額面ではなく「手取り額」をベースに計算し、さらに「将来妻の収入が一時的に減少する」という前提でシミュレーションを行ってください。毎月の返済額が、手取り世帯月収の25%以内に収まるような計画が理想的です。
5-2. 団信のカバー範囲(夫婦連生団信など)をしっかり検討する
万が一の病気や死亡リスクへの対策として、団信の選び方が非常に重要です。最近では、連帯債務やペアローンを利用するご夫婦向けに「夫婦連生団信(デュエットなど)」を提供する金融機関が増えています。
これは、夫婦のどちらか一方に万が一のことがあった場合、残りの住宅ローンが「全額(2人分まとめて)」ゼロになるという非常に強力な保険です。金利が少し上乗せされるケースが多いですが、残された家族の生活を守るためには非常に有効な選択肢となります。
5-3. どちらかの単独ローンで購入できる物件も視野に入れる
最も安全なのは、やはり「世帯のメインとなる収入(例えば夫の単独収入)だけで組めるローンの範囲内」で物件を探すことです。無理をして背伸びをした高額物件を買うのではなく、希望エリアから一駅ずらす、広さを少し見直す、リノベーションで工夫するなど、予算を抑える方法はたくさんあります。
夫婦の収入は「何かあったときのための貯蓄」や「教育費」「老後のゆとり」として考え、住居費はコンパクトに抑えるという堅実な選択も、幸せな暮らしを維持するための一つの正解です。
6. まとめ:将来の変化を見据えた資金計画を
ペアローンや収入合算は、都心で質の高い中古マンションを購入するためには欠かせない選択肢となっています。住宅ローン控除の恩恵をダブルで受けられるなどのメリットも大きい反面、離婚や収入減少といったライフイベントによる「連帯責任のリスク」を生涯背負うことになります。
マンションの購入はゴールではなく、そこから始まる新しい生活のスタートです。目先の「買える金額」だけで判断するのではなく、10年後、20年後に家族の形や働き方がどう変化していくかを見据え、リスクに耐えうる柔軟な資金計画を立てることが何よりも大切です。
「自分たちの世帯年収なら、ペアローンでいくらまで借りるのが安全なのだろう?」「万が一の時に備えて、どの団信を選べばいいか分からない」といった疑問や不安をお持ちの方は、ぜひニナ・ステージにご相談ください。
私たちニナ・ステージでは、単に物件を販売するだけでなく、専属の住宅FP(ファイナンシャルプランナー)がお客様のご夫婦の働き方や将来のライフプランを詳細にヒアリングし、無理のない適正な資金計画をご提案しています。万が一の離婚リスクや税金(贈与税)の問題にもプロの視点で切り込み、安心・安全なマイホーム購入をトータルサポートいたします。夫婦の未来を笑顔にする住まい探しを、弊社の無料相談から一緒にスタートしてみませんか?
ページ作成日 2026-08-11

このコラム欄の筆者
ニナ・ステージ株式会社
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